2005年に「フランス人の道」(サンティアゴまで約780㎞、2014年巡礼者数:161,994人)を踏破した後、何もない赤茶けた大地、メセタの、遥かかなたまで見通せる一本道を歩いた経験が、とくに懐かしく思い出され、いつかもう一度同じ道を辿りたいと思っていた。一方、聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラに至る巡礼の道は他にもいくつかあり、別の道を歩いたほうが新たな感動を与えられるのではないかと、心移りした。
セビージャからアストルガに至る「銀の道」(約960㎞、8,490人)は、人里を離れたところを通り山越えも多いので、巡礼の道としては魅力を感じていたが、アルベルゲ(巡礼宿)がまだ少なく、一日の歩行距離が長いので、高齢者となった小生の体力では無理と断念した。リスボンからの「ポルトガルの道」(約600㎞、35,491人)は、古代ローマ人のつくった橋や道が利用されていて、高いところでせいぜい400mの山野と古くからの街並みとを交互に辿っていくようだ。だとすれば、もっと年を取っても巡礼に行けるのではないか。
少しばかり思案した上、「北の道」(約800㎞、15,071人)巡礼の旅となった。独自の言語と文化をもつバスク地方とケルト文化の名残があるアストゥリアス州、ガリシア州を通り、スペインでは珍しく雨が多く緑豊かな山野を歩くことになった。


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